虹の音 -赤川浩之の動く彫刻-
吉岡まさみ 缶ビールのプルトップをプシュッと開けながら、元早稲田大学教授のH氏は 「前の作品とは変わりましたね」 と今回の個展作品の感想を言った。 「そうですか?」 「初めて彼の作品を見た時は、どうやって動くんだろう、とその仕組みが気になったけど、今回はそういう作り方は気にならなくて、自然に眺められるようになった」 「なるほど」 わたしには今回の作品(2023年10月16日(月)- 21日(土)Steps Gallery)と前年の作品とではそれほどの違いはないと思っていたのだが、そう言われてみれば、作品はどうやって動くのかという興味よりも、作品の動きや発する音を自然に楽しむことができているか…