繰り返す形 -浜田浄の時間-
吉岡まさみ 〈好奇心〉 銀座のステップスギャラリーはエレベーターがなく、5階まで昇らなくてはならないが、浜田浄は階段をすたすた上がってくる(最近は少し辛くなってきたようだが)。 ギャラリーに入ると奥の部屋の椅子に座りお茶を飲む。居合わせたお客と話をするのだが、初対面の人でも、誰とでも気さくにおしゃべりを始める。若い作家を前にすると作品について熱心に質問を続ける。何にでも興味が尽きないのである。こんなこともつぶやいたりする。 「今の若い作家はすごいね。作品がどんどん変わっていくんだよ。僕なんかまったく変わらないよ。80過ぎたらもう無理だよね」 と言うのだが、実際の浜田浄作品は現在でもじわじわと変…